子どもの決断を100%優先する

子どもの決断を100%優先する

相変わらず猛暑日が続く2022年の夏(;^_^A

そんな中、オンライントークイベント探究アカデミアが開催された。

8/10のテーマは「私たち親子の起立性調節障害と進路選択~起立性になったからこそ今のワタシがいる~」でした。

タイトルの通り、高校3年生の佐藤結子さん、母親の佐藤理佳さん、の明るい親子が今回のゲストスピーカーだ。

苗字が同じなので、混乱しないようにここでは結子さん、お母さん、と書いていこう。

まず結子さんの紹介を。

結子さんは起立性調節障害を克服したセラピストで、更に起立性調節障害や不登校に関する講演活動を行っている。

お母さんの理佳さんは幼稚園教諭の免許を持ち、HSP・HSC専門のキャリアコンサルタントの国家資格を持ち、不登校に関するご相談やお話会を開催している。

※HSC

Highly Sensitive Childの略語で、とても敏感・繊細であり、豊かな感受性を持った気質の子どもを意味する。HSPはPerson。

結子さんは中3の5月に起立性調節障害を発症。学校の授業に出られなくなってしまう。高校進学をあれこれ考える中3生。

北海道の公立高校は5教科入試。入試日に5時間かかるということが体力的にきついと感じ、私立高校を進学先に選んだ。

専願入試で作文と面接が選考基準だった。

中3の2月に起立性調節性障害は克服し、4月に全日制高校へ入学したのだが、体調不良から欠席が多くなる。学校に行きたいのに行けない辛さ…。

そして高1の9月にN高校という通信制高校のネットコースへ転学する。

そして高2の終わり頃から大学受験へ向けて準備を進めている。

お母さんも、結子さんの中3~高1時を思い出しながら語る。

まずは親自身が何を不安に思っているのかを明確にしていった。そして、その不安な気持ちを吐き出す場所(カウンセラーに話せた)を作れたことが良かった。ちなみに結子さんから見て「お母さんに余裕がない時は、一杯一杯だなと感じていた」とのこと。

夫婦で十分話し合うこと、その上で子どもの決断を100%優先すること。アドバイスはしても、最終的にどうしたいかは子どもが決めるのが良いと考えていた。

N高校への転学に関しては、札幌にできてから1年しか経っておらず、あまり学校の情報がなかった。が、結子さんの行ってみたいという意志を最優先してサポートすることに家庭の方針が決まっていった。最終的には自分で納得して決めたことの方が頑張れますから。

転学について悩んでいた結子さんも「子どもの決断を100%優先する」という保護者の言葉を嬉しく感じていたそうです。

ここで、結子さんから通信制高校の話がありました。

転学したての頃は「通信制高校に行って後悔していないか?」という類の質問をされることが多く違和感を覚えた。後悔ありきの質問…これは通信制高校への偏見なのかもしれないと感じた。

学業、友人、進学、とどれも自分でデザインしていけるのが通信制高校だと楽しそうに語ってくれた。

時間にしても教科にしても自分のペースで勉強ができる。教科が選べるということはより受験に直結していると言える。学校イベントについては、ネット遠足や課外授業について話してくれた。

イベント終盤には質疑応答タイムがあった。内容によって結子さん、お母さんがお答えしていった。

「通信制高校の特徴として、時間を自分で管理するというのはだらけたりしませんか?」

だらけてもいいと思います。実際にだらけている時もありますよ~。

「とても明るい性格に見えますが反抗期などありましたか?」

ありました…ひどかったですよ。でも起立性調節障害になってから親子のコミュニケーションが増えました。

「中1の娘が不登校なのですがアドバイスを」

子どもをどうにかしようというよりも、親自身が健康で好きなことをやって楽しむことが大切だと思います。自身のケアをして心身ともに余裕を持っている状態が親子関係にも好影響をもたらすと考えます。

「やりたいこと、やりたくないこと、は?」

教育、行政、について勉強すること。講演。ネイル。やりたいことを考えてるとやりたくないことは減っていくような気がします。

「どのような不安がありましたか?」

中3の12月に結子さんがブログを発信したいと言い出した時、母として不安を感じました。起立性調節障害で悩んでいる人の役に立ちたいという目的からのブログなのだが、他者から誹謗中傷などあるのではないだろうかと思ったりして…。

お父さんが「子どもが苦しんでいるところを見るよりも楽しんでいるところを見たい」という発言をしてくれて、お母さんも不安がることをやめて応援していくことにしたそうです。

このとびきり明るい親子の話をまだまだ聞いていたいのだが、残念ながら終了時間となってしまった。

「好きなことをするのは、楽をしているわけではない」という熱いメッセージを最後に残してくれた!

 

次回の探究アカデミア

8月26日(金)、テーマはキャリア教育だ。