今回は「約130校の中学受験で「偏差値で合否を決めない」思考力入試を実施!?
かえつ有明中学校「思考力特待入試体験会」独占潜入取材!」というテーマをお話致します。
12月10日(土)に、今年度最後の開催となった「かえつ有明中学校(※以下かえつ)の思考力特待入試体験会」を取材してきました。
◇思考力入試とは何か?
思考力入試とは、知識中心のテストで子どもの能力をはかる日本型の「偏差値入試」ではなく、ワークショップ・プレゼンテーション・テーマ探究などを入試で実施し、テストではかれない子どもたちの能力や意欲を多面的に評価する欧米型の入試になります。
思考力入試は「新タイプ入試」ともよばれ、首都圏の約130校で実施されています。近年大学入試は大きく変わり、欧米型の総合型選抜入試の定員が半分以上になり、それにあわせ、今年度より高校の授業では生徒が主体の探究授業がスタートしました。現在「新タイプ入試」を実施している学校では、数年前より探究型授業が行われております。この入試を通して、探究活動の中心的な存在を担ってもらえる受験生を評価し、入学後に授業をけん引していく生徒を募ることが目的とされています。これらの入試の広がりは、私学における教育の質の変化を示していると言えるかもしれません。
◇体験会の流れ
今回のかえつの思考力特待入試体験会は、親子向けの説明会で入試のポイントが用紙として配布されるものではなく、保護者は入ることができない、生徒だけの”思考力特待入試模擬試験の体験”というスタイルでした。※実施内容は、もちろん本番の問題とは異なります。
この思考力特待入試は、個人探究を基本とし、生徒同士の会話や議論はありません。集中して各自がワークブックと向き合い、自分なりの問いを立てることが試験内容の中心となります。試験最後の成果物は受験生の言葉が書き込まれたワークブックであり、そのワークブックの出来具合が評価の対象となります。
体験会の会場は、かえつの学びの象徴的な場所でもあるドルフィンで開催され実際にプロジェクト科の授業と「同じようなスタイル」で体験会が実施されました。
※かえつのプロジェクト科については以前の記事を参照ください。
令和の学びのスタイルはこれだ!かえつ有明の探究授業がすごい!(前編)
※会場となったドルフィン。スクール形式ではなく、楕円形の9つほどのデスクに2名ずつの生徒が座って実施。※画像は入試体験会当日ではなく以前のプロジェクト科の授業
試験当日は120分になりますが、体験会は90分に圧縮して実施されました。(しかし、本番はほぼ同じ流れになります。)体験会は、ファシリテーターの田中先生がすべてリードしましたが、本番の入試ではファシリテーターがいるかどうかは決まってはいないそうです。
では、体験会の流れを説明していきます。今回の入試体験会のテーマは「普通」。これをテーマに、子どもたちは問いを立てていきます。
◇パート1 動画を視聴して「普通」について考えてみる
〇【説明5分 動画視聴15分 ワークブック15分】
〇ファシリテーターからポイント:ここで大切なことはアウトプットすること
全員で、日本民間放送連盟賞『最優秀』/ギャラクシー賞『優秀賞』を受賞した作品をみんなで視聴していきます。映像中にメモを取ることはできます。各年代の方々が発達障害などを理由に社会生活で疎外感を目の当たりにし、陰ながら社会に適応しようと努力しているといった内容で、何名もの出演者のエピソード映像が流れた最後に、力強く訴えかける男性のメッセージと「見えない障害と生きる」のテロップが中央に出て映像は終わりました。
映像の後は、アウトプットの時間になります。生徒が各自作業を実施していきます。以下の内容を中心にワークブックに記載していきます。
・今日のテーマについて思うこと
・映像を見てテーマについてもっと知りたいと思ったこと
ワークブック内には表が用意されていて、問いが分解されており、思考を手助けするために、はしごかけされた問いがあり、それを埋めていきます。
※ちなみに、今回用意されたワークブックは全13ページほどで構成されています。試験本番ではワークブックの分量などに変更があるかもしれません。また、ワークブックを作製するのは学校内の先生であり、外注ではありません。
写真は当日用意されたワークシートブック
◇パート2 問いを作る
ここからの続きは グロバルサイトをご覧ください。